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カビと健康について

はじめに

 夏にかけて湿気が多くなると、家のあちこちにカビが生えてきます。目には見えないようなカビもあります。 皆さんはカビが原因の病気についてどのくらいご存知でしょうか?健康被害を及ぼすカビはできるだけ防止したいものですね。
今回は健康とカビについて取り上げ、カビ対策についてお伝えしたいと思います。

カビが原因となる病気

カビが繁殖した食品を食べて起こるカビ毒中毒症

食べ物に生えたカビが原因で引き起こされる。 下痢や腹痛、吐き気などの健康被害を起こす急性毒性タイプと、カビ毒を長期にわたって口にすることで引き起こされる「がん」「神経症状」「血液障害」などの慢性毒性タイプがあります。

皮膚から真菌が侵入して障害を及ぼす真菌症

水虫

一番身近な皮膚の病気で正しくは「足白癬」といいます。 誰でも感染しやすく、なかなか治りにくいため、しっかり治療をうけることが大事です。 なお、爪に取りつくと「爪白癬」となり、とても治りにくい疾患と言われています。

水虫
スポロトリクム症

ミズゴケやバラの木に特異的に付着しているスポロトリクス・シェンキィという腐生性糸状菌によるもので園芸家や庭師がよく罹る病気です。 片方の手の腕や足が異様に膨らみ、赤く腫れてやがて潰瘍を起こすいやな皮膚疾患ですが、早期発見早期治療で完治します。

スポロトリクム症
おむつかぶれ

赤ちゃんや高齢の方でおむつをあてているところが、カビの菌の繁殖により赤くただれることがあります。 お風呂等で清潔に保つこと、頻繁におむつを替えることが予防につながります。

おむつかぶれ

呼吸や経口から体内に侵入して障害を及ぼす真菌感染症

「アレルギー性気管支肺アスペルギウス症」

麹菌としられているアスペルギウスというカビによっておこる病気です。 身近な土壌にあるこの菌は、みそ、しょうゆ、酒などの発酵にも使われます。 食品、粉じん、カーペットなどに潜んでいます。この菌を吸い込むと、喘息のような症状がでてきます。 重い場合は呼吸困難となります。エアコンのバクトや吹き出し口を通して室内に拡散します。 咳や痰が激しく出ます。特に、アトピーの方でステロイドを服用している方は注意が必要です。

「夏型過敏性肺炎」

春から秋にかけ、夏を中心とした季節に多いため、夏型過敏性肺炎と言われています。 家の中に存在する真菌であるトリコスポロンを抗原とします。

「アトピー性皮膚炎」「喘息」「鼻炎」「結膜炎」

空気中に浮遊しているカビの胞子やその代謝物が原因で発症する場合があります。 空気中に漂うカビは花粉よりも飛散しやすい環境にあるため、やっかいな存在です。 鼻の中や食べ物から口の中に入ったりすると、さまざまなアレルギー症状を引き起こします。

カビの発生の予防策

 月に1回は定期的な大掃除を行い、カビの発生や発育の余地を与えないように常に気を付けてください。

キッチンまわり・食品シンク:生ごみは放置しないこと。食品はなるべく早く食べきり、冷蔵庫内も月に1回は点検しましょう。

浴室・洗面所:使用した後はシャワーで浴室を流し最後に水で冷やします。水滴をタオルなどでふき切りましょう。

カビの栄養分となるホコリや食べかすは掃除機で隅々まで吸引しましょう。エアコンフィルターは季節の変わり目には必ず掃除しましょう。クローゼット内の衣類も乾燥剤など利用して水分を除去しましょう。

カビの生育は5~45度可能ですが、最適温度は20~30度で25度前後で活発になります。 相対湿度は70~95%が適し、80%以上で猛烈に繁殖します。 したがって室内の湿度は夏冬にかかわらず40~60%の湿度維持を目安にして下さい。
また、こまめに換気をして空気が流れるように窓をあけたり、扇風機をかけて室内に流れをつくりましょう。

最後に

 皮膚症状がなかなか治らないので、真菌症の薬剤に切り替えたらよくなったという話も耳にします。 住宅環境として気密性重視されるなか、一方では空気の停滞によるカビ対策も考えていく必要があります。 夏にかけてのこの季節は、湿度に注意し、こまめに掃除を行い、健康で過ごせるように「カビ対策」を行ってください。
 自分の健康は自分で守るセルフメディケーション(軽度な不健康は市販薬などを使って自分で治療すること)の考えが社会的に浸透してきました。ご心配なことなどございましたら、あなたのかかりつけの薬局へどうぞご相談ください。
掃除


監修


  株式会社 医療経営研究所
薬剤師 富永 敦子
NPO法人 ふぁるま・ねっと・みやぎ理事/(社)宮城県薬剤師会常任理事/
(社)日本薬剤師会編集委員/みやぎ21健康プラン推進協議会委員
1959年生   茨城県出身
1982年   東北大学薬学部卒業


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