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自律神経失調症について

はじめに

 私たちの体は、気温の変化などの環境の変化や精神的ストレスなど、生体の内部や外部からの刺激に対して、体内の状態を一定に保とうとする働きがあります。 これをホメオスタシス(恒常性)といい、健康を保つための生体のすぐれた能力のひとつです。 体温や血圧のコントロールや、病原微生物やウイルスといった異物(非自己)の排除、創傷の修復などがあります。この「ホメオスタシス」が保たれるためには、生体への刺激による変化を打ち消す向きの働きが必要となってきますが、その指令の伝達網の役割を担うのが、自律神経系内分泌系(ホルモン分泌)といわれています。
 今回は自律神経失調症についてとりあげます。

自律神経失調症とは

 自律神経には交感神経副交感神経という2つの相反する働きをする神経があり、私たちの意思とは関係なく働いて、心臓や血圧、体温、胃腸などをコントロールしています。 この2つの神経は、交感神経が優位になると副交感神経が静まり、逆に副交感神経が優位になると交感神経が静まるというように、両者がシーソーのようにバランスをとりながら働いて、体の機能のバランスを保っています。

交感神経と副交感神経

自律神経の主な働き


交感神経 副交感神経
瞳孔 広げる 小さくする
心拍数 上げる 下げる
胃腸の働き 抑える 活発にする
気管支 拡張する 収縮する
血管 収縮させる 広げる
血圧 上げる 下げる
その他 昼間、活発になる 夜、活発になる

自律神経の機能が、ホルモン、環境、ストレスなどをきっかけに損なわれることがあり、動悸や倦怠感、めまい、イライラ、頭痛などの症状が現れる場合があります。こうした自律神経の低下でおこる様々な症状を自律神経失調症と呼んでいます。自律神経は体のあらゆる器官に関わっているので、自律神経失調症はたくさんの症状が現れることもあります。

自律神経失調症の主な症状

自律神経失調症の主な症状

治療について

 医師が自律神経失調症と診断したら、この病気の原因をよく説明したうえで、症状に応じて治療を行います。代表的な治療を見ていきましょう。

薬物療法

薬剤によって症状を緩和する治療法です。処方される薬の例をあげます。

自律神経調整薬 :自律神経系の緊張や不均衡を改善する作用があります。
抗不安薬 :自律神経の緊張を緩和させ、不安や緊張を和らげる作用があります。
ビタミン剤 :ビタミンA、B群、C、E。自律神経のバランスを整えます。
ホルモン薬 :女性ホルモンのバランスを整えます。
漢方薬 :精神の不安を抑え、神経の緊張を和らげるなどの作用が期待できる漢方薬があります。

心理療法

心の中の混乱を言葉や態度で整理し心の安定をはかります。

自律訓練法

自律神経のリズムを整える効果があります。一種の自己暗示をかけて、心身の緊張を解きほぐす方法です。

最後に

健康維持のためには「ホメオスタシス」の機能は大変重要です。 自律神経失調症かなと思い当たる場合は、薬局や病院にご相談下さい。 ご自分にあった解決法で本来の「ホメオスタシス」を取り戻しましょう。 もちろん予防にも取り組んでいただきたいと思います。まずはストレスや疲れをためないことです。そして、できる限り生活のリズムを守るようにしましょう。 自分の健康は自分で守るセルフメディケーション(軽度な不健康は市販薬などを使って自分で治療すること)の考えが社会的に浸透してきました。「ホメオスタシス」を高めて豊かな暮らしを実現していきましょう。 ご心配なことなどございましたら、あなたのかかりつけの薬局へどうぞご相談ください。
あなたのかかりつけの薬局


監修


  株式会社 医療経営研究所
薬剤師 富永 敦子
NPO法人 ふぁるま・ねっと・みやぎ理事/(社)宮城県薬剤師会常任理事/
(社)日本薬剤師会編集委員/みやぎ21健康プラン推進協議会委員
1959年生   茨城県出身
1982年   東北大学薬学部卒業


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