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サプリメントとの上手な付き合い方

サプリメントって何?

サプリメントは、今やドラッグストアなどでもたくさんの商品が陳列されています。そもそも「サプリメント(Supplement) 」とは、「追加・補充・補助」という意味で、それが転じ、「日頃から不足している各種栄養素を補うための食品(栄養補助食品)」、すなわち錠剤の形をしていても薬ではなく、あくまでも食品であるとされています。

テレビや雑誌にもよく取り上げられていますが、実はその用語に行政的な定義はありません。一般的なイメージとして、「健康の保持増進に資する食品のうち、特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」と考えられています。よって食品扱いであるサプリメントは、医薬品のような厳しい審査はありませんが、その代わりに効果・効能を表記することは禁止されています。

サプリメントを上手に摂りましょう

健康の基本は食生活です。きちんと食事をとっていれば、三大栄養素の炭水化物、脂質、タンパク質は十分摂れているはずです。しかし、偏食で栄養素がうまく摂れないときなどは、不足がちになってしまう栄養素(特にビタミン、ミネラル、繊維質など)もでてくるはずです。

このような時に、「今自分に不足しているものは何か」などをよく考え、自分に合う、質の高いものを摂るようにしましょう。

なお、個人差がありますので、安全性にもご注意ください。

サプリメントを摂る場合の注意点

妊娠中におけるサプリメントについて

妊娠中に不足しがちな栄養素は、「葉酸」「鉄」「カルシウム」があげられますが、安易なサプリメントの利用は控えたほうがよいでしょう。医薬品と違い、サプリメントは品質が一定しないことと、単一成分でなく複数成分が添加されている場合が多く、成分どうしの相互作用や過剰摂取などの問題があります。また、胎児への影響も十分なデータがないので、避けた方がよいでしょう。

なお、葉酸は、「胎児の神経管閉鎖障害発症リスクを低減させる」と考えられており、妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までに摂るとよいでしょう。

子どもとサプリメントについて

「子ども用のサプリメント」や「子どもでも利用できる」とうたっているサプリメントもありますが、大人よりもさらにその安全性や有効性を十分考慮して、慎重に対応する必要があります。アメリカの調査では、サプリメントの利用が過剰摂取につながっていること、早期のサプリメント利用がアレルギー発症と関連がある可能性があることなどが指摘されています。偏食が気になるので、栄養不足を解消するためにサプリメントと考えるのではなく、「ある食品が食べられなくても、欠ける栄養素は他の食品で補う」「成長に伴い好き嫌いも減る」というように考えて、嫌いな食品の克服に心がけていきましょう。

薬との飲み合わせで注意するサプリメント

健康食品の成分が医薬品の作用に影響した事例を以下に紹介します。

健康食品に添加されて
いる天然植物
医薬品成分 理由 影響
イチョウ 抗血小板薬、抗血液凝固薬 癌例報告有り 薬効の増強
ダイダイ カルシウム拮抗薬 小腸の薬物代謝酵素(CYP3A4)活性を阻害 薬効の増強
ノコギリヤシ 抗血小板薬、抗血液凝固薬 癌例報告有り 薬効の増強
朝鮮ニンジン ワルファリン、ジゴキシン
フロセミド
報告有り
報告有り
薬効の増強
薬効の減弱
ニンニク サキナビル、リトナビル、ワルファリン 報告有り 薬効の減弱
セントジョーンズワート
(セイヨウオトギリソウ)
インジナビル、ジゴキシン、シクロスポリン、テオフィリン、ワルファリン、経口避妊薬 薬物代謝酵素(特にCYP3A4、CYP1A2)を誘導 薬効の減弱

その他、ビタミンB6、葉酸、ビタミンK、ビタミンC、ナイアシン、ビタミンD、カルシウム、マグネシウム、鉄、中性アミノ酸、コエンザイムQ10なども、薬によっては影響が出る可能性があるので、注意が必要です。個々のサプリメントについては、かかりつけの薬剤師にご相談ください。

アレルギー症状に注意

サプリメントに含まれている成分によるアレルギー症状がでる場合があります。アレルギーをお持ちの方は、サプリメントの表示で、原因物質の有無を確認しましょう。 たとえば、グルコサミン、コンドロイチンなどは「えび、かに」が含まれている製品があります。

最後に

「もっと気軽にサプリメントをおススメしてほしい」とよく言われます。しかし、医薬品のように効果があるものは逆に副作用もあると考えられるのです。もし、サプリを摂って健康被害がおこったらどうなるでしょう。医薬品であれば、医薬品救済制度がありますが、サプリメントに関しては救済制度が全くありません。サプリメントは食品区分だからです。

この問題は、これからの制度改革に期待したいところです。 体調にちょっと不安があるとき、セルフメディケーションの際には、ぜひ、安全性に考慮して、自分に合ったサプリメントを摂ってほしいと思います。基本は食事、不足分補うときにお気に入りのサプリをどうぞ。

著者プロフィール


  株式会社 医療経営研究所
薬剤師 富永 敦子
NPO法人 ふぁるま・ねっと・みやぎ理事/(社)宮城県薬剤師会常任理事/
(社)日本薬剤師会編集委員/みやぎ21健康プラン推進協議会委員
1959年生   茨城県出身
1982年   東北大学薬学部卒業


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