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はじめに

爪はよく健康のバロメーターといわれており、健康な爪は半透明な薄いピンク色のさくら貝のような色で艶があります。最近はネイルサロンが若い女性の間では注目され、セレブ感がありますね。
しかし、爪の状態や色や形がおかしい場合は、なんらかの病気の兆候や、爪自体の病気になる可能性もあるのです。今回は爪の病気や対処法をみていきましょう。


あなたの爪の健康はどうでしょうか。爪の健康チェックをしてみましょう。

症状からわかる爪の病気

爪の症状から病気について代表的なものをみていきましょう。

爪の症状

症状をクリックすると病気の説明へジャンプします。

Case01 爪の先のヘリが変形して皮膚に食い込んでいる。悪化すると赤くはれたり出血する。
Case02 爪の先が変形して内側に曲がり、皮膚に食い込んで痛みを生じる。
Case03 爪の甲に白い斑点がある。
Case04 幅1~2mmの白い帯状のものが1~数本爪甲にできている。
Case05 爪全体が不透明な白色になっている。
Case06 爪の根元の皮膚や甘皮が乾燥し、裂けて痛む。出血する場合もある。
Case07 爪が縦方向に裂けたり、何本も亀裂が入っている。
Case08 爪が白くなったり黄色っぽく濁ったり厚くなってボロボロ崩れたりする。
Case09 爪が爪床から離れている。

症状からわかる病気


Case01 爪の先のヘリが変形して皮膚に食い込んでいる。悪化すると赤くはれたり出血する。
病名 陥入爪(かんにゅうそう)
爪の角が足の肉にささる症状。炎症を起こし痛む。巻き爪を併発すると、ますますひどくなる。原因として考えられることは、深爪。靴が自分の足に合っていない。長時間の立ち仕事。足の指に負荷がかかりすぎているなど。
もし陥入爪になったら爪を切る時には、指先より少し長めに切り、爪が指に食い込まないようにカドを丸く切る。また、爪が深く食い込んでしまい化膿がひどくなってしまった場合には、必ず皮膚科のお医者さんに診てもらうこと。

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Case02 爪の先が変形して内側に曲がり、皮膚に食い込んで痛みを生じる。
病名 巻き爪
最初は食い込んだ部分の爪を切るなど、巻き爪の前兆と気づかずに、食い込んだ部分を切りすぎて深爪をしてしまう人も多いが、伸びた爪の部分を切ったからといって解消されず、伸びてくる爪はやはり湾曲し、皮膚へ食い込む。爪が食い込んだ皮膚が炎症を起こし、爪はどんどん端から筒状に足の指の皮膚に食い込み、ひどくなると靴が履けなくなったり、普通に歩くことさえも困難になったりと、深刻な状態になってしまう場合もある。
予防には、足に合った靴を選ぶことが大切で、つま先に負荷のかかる靴を履かないようにすること。また、爪を清潔に保つことや、深爪をしないように心がけることも大切。治療は、皮膚科が通例。早く治療を開始すればそれだけ早く改善する。

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Case03 爪の甲に白い斑点がある。
病名 点状爪甲白斑(てんじょうそうこうはくはん)
最も普通にみられる爪の甲の白い斑点。つけねの近くに小さな点状白斑が現れ、その後爪の先端に移動し消えていく。子どもおよび若年者に多くみられ、俗に、“幸運の星”などと呼ばれている。治療の必要はない。


Case04 幅1~2mmの白い帯状のものが1~数本爪甲にできている。
病名 線状爪甲白斑(せんじょうそうこうはくはん)
原因として、中毒(砒素、鉛など)、感染症(麻疹、肺炎など)、皮膚疾患(乾癬、円形脱毛症など)、そのほかの疾患(心筋梗塞、腎不全など)、あるいは月経、手術、マニキュア使用などが考えられる。医療機関に受診すること。

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Case05 爪全体が不透明な白色になっている。
病名 汎発型爪甲白斑(はんぱつがたそうこうはくはん)
多くは優性遺伝性で、生まれた時または乳児期から始まり、治療の必要はない。爪の水虫や肝硬変、慢性腎不全、糖尿病などの全身疾患でも白くなるので、注意が必要である。不安な場合は医療機関を受診すること。

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Case06 爪の根元の皮膚や甘皮が乾燥し、裂けて痛む。出血する場合もある。
病名 ささくれ
爪の根本の皮膚や甘皮が乾燥や傷により裂けておこる。出血する場合もある。
無理やりひっぱったりせず、甘皮をキューティクルオイルなどで、潤いを与えて柔らかくし根元から切る。予防法は、乾燥を防ぎ保湿する。保湿用にキューティクルオイルを使うのもよいし、就寝前に手袋をして保湿するのも効果がある。

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Case07 爪が縦方向に裂けたり、何本も亀裂が入っている。
病名 爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)
原因としては、爪の根元の部分になんらかの病気があり、爪を作る機能に支障をきたしていると考えられる。また、末梢循環不全などの身体の症状が原因の場合もある。その他マニキュアの除光液の使いすぎで、爪の表面が乾燥してしまい、割れてしまうことも考えられる。また、もともと爪が薄い人や爪が弱い人は、爪切りを使うことが原因の場合もある。 対処法は、マニキュアをやめる、爪切りでなく爪やすりを使う。こまめに爪を切って、割れた部分の爪が伸び切ってしまうまで、気をつける。

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Case08 爪が白くなったり黄色っぽく濁ったり厚くなってボロボロ崩れたりする。
病名 爪白癬(つめはくせん)
白癬菌が爪の間に入り込んで繁殖し爪が水虫になる。かゆみなどの自覚症状がないことが特徴。
爪白癬に感染している爪は、切ったあとでも白癬菌が繁殖したままで感染力があるので、爪を切ったあとは爪を必ず捨てるようにすること。家族に一人でも爪白癬になっている人がいると、ほかの家族も白癬菌に感染する可能性がある。
爪白癬になったら、皮膚科を受診し専門医に診てもらい、完全に白癬菌が死滅するまで、治療を続ける必要がある。

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Case09 爪が爪床から離れている。
病名 爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)
爪の先端から徐々に根元に向かって広がっていく。爪の表面が薄く剥がれ、剥離した部分の爪は白色ないし黄色に見える。
原因は、外因性(外傷や・洗剤などの化学物質)によるもの、感染症(カンジダ感染・細菌感染)によるもの、薬剤によるもの、皮膚疾患(乾癬・扁平苔癬・尋常性天疱瘡など)によるもの、疾患(鉄欠乏性貧血・甲状腺機能低下症・糖尿病・膠原病・感染症)によるものなどが考えらる。原因となっている病気の治療をうけましょう。

その他にも爪に関する様々な病気はあります。気になる症状があれば、皮膚科を受診しましょう。

爪に必要な栄養と爪のお手入れ

爪のチェックで問題があれば、まず、爪の病気や全身の病気を治療しましょう。
また、爪の健康を保つためには、新陳代謝を良くすることが大切です。
爪はカルシウムでできていると思われがちですが、髪の毛と同様にケラチンというタンパク質によってつくられている組織です。卵や大豆製品などの良質のタンパク質を摂って健康な爪をめざしましょう。

栄養バランスのとれた食事をしよう


特に重要な栄養素
タンパク質 爪をつくるのに欠かせない栄養素です。
ビタミンB 爪を丈夫にはがれにくく折れにくくします。
ビタミンE 爪の血行をよくしツヤを保ちます。
亜鉛 爪のツヤを保ちます。不足で白い点がでるといわれています。
鉄分 そり爪などの変形を防ぐといわれています。
その他、カルシウムやビタミンAやビタミンDも重要です。

爪もみ健康法

爪をつくるつけねの部分のマッサージを十分にして血行をよくしましょう。細胞に十分な栄養が行きやすくなり、活発な細胞分裂を促し、健康な爪が伸びてきます。また、爪の水分を保ち、爪のはがれや割れるのを防ぐためにクリームを使ってマッサージで塗りこみ保湿にこころがければ、なお効果があがるでしょう。

爪に関する質問Q&A

爪は1か月にどのくらい伸びるの?

個人差はありますが、手の爪は約1日に0.1mm、1か月に3mm伸びますが、足の爪は、1日0.05mm、1か月に1.5mm伸びるといわれています。また、夏の方が早く伸び、大人よりも子供のほうが早く伸びるといわれています。

マニキュアは爪にとって悪いのでしょうか。

ベースコートを塗れば爪の変色を防ぐことはできますし、マニュキュアそのものが爪に悪影響を与えることはありません。ただし、除光液(ネイルリムーバー)を頻繁に使うと、爪の水分や油分を奪ってしまうため、爪の先が割れてくることがあります。除光液を使ったときは、油分の多いクリームなどを塗って爪の乾燥を防ぐようにしましょう。

爪に縦のスジが増えてきましたが、どうしてでしょうか?

細い縦のスジが走るのは、老化現象の一つです。皮膚の乾燥と同じように、年齢とともに線が増えていきます。

爪の正しい切り方を教えて下さい。

爪は短く切ればいいわけではなく、特に足の爪を深爪すると陥入爪になることがあります。
爪の先端の角をある程度残るように切り、爪の角が皮膚に食い込まないようにしましょう。
指先よりも1mmぐらい長めに切るのがよいでしょう。

あなたの爪の健康はどうでしょうか。爪の健康チェックをしてみましょう。

最後に

今回は体のなかで身近な「爪」についてとりあげました。きれいな爪はあこがれのひとつですが、いったん爪がトラブルをおこすとなかなか治りません。日ごろから自分の爪にも関心をもち大事にしていきましょう。お薬のこと、生活のなかでできる健康に関するアドバイスは、薬剤師にご相談ください。

著者プロフィール


  株式会社 医療経営研究所
薬剤師 富永 敦子
NPO法人 ふぁるま・ねっと・みやぎ理事/(社)宮城県薬剤師会常任理事/
(社)日本薬剤師会編集委員/みやぎ21健康プラン推進協議会委員
1959年生   茨城県出身
1982年   東北大学薬学部卒業


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